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月別アーカイブ: 2025年10月

第14回左官工事雑学講座

皆さんこんにちは!

有限会社藤田左官、更新担当の中西です。

 

~“塗るだけ”じゃない!~

 

「左官=壁に塗る人」だけじゃもったいない!実は、下地の診断・材料の配合・含水率のコントロール・鏝(こて)さばき・養生・検査まで、完成度の8割は見えない工程で決まるんです。この記事では、下地→配合→塗り→仕上げ→養生→検査の流れを、今日から役立つコツと一緒に解説します。


1️⃣ 下地判定が“すべてのスタート”

同じ壁でも中身が違う!

  • コンクリート:吸水ムラあり。レイタンス除去→シーラーで足場づくり。

  • ALC:多孔質で水をよく吸う。フィラーで吸い込み均一化がカギ。

  • 石膏ボード:ジョイント処理が命。段差ゼロ&クラック予防にメッシュ+パテを丁寧に。

  • 既存塗膜の上:付着試験(テープ・打診)で弱層の見極め→必要なら撤去。

ポップTip:下地の吸水を“見える化”。霧吹きの水が何秒で消えるか吸水強度の目安がわかるよ!⌛


2️⃣ 材料の“黄金トリオ”——水・粉・骨材を仲良くする⚖️

  • 漆喰(消石灰):上品な白と抗菌・防カビ性。磨きでツヤ変化が楽しめる✨

  • :しっとり調湿&やさしいマット感。藁スサでひび抑制&腰が出る

  • セメント・ポリマー系強度・耐久に優れ外部や床に◎。色ムラは養生と水分管理で対策。

配合のコツ:同じレシピでもロット差・気温・湿度で“表情”が変わる。当日サンプル塗り水量1〜2%の微調整がプロっぽい!


3️⃣ “一発勝負”はしない!層構成で仕上がりを安定化

  • 下塗り:付着・吸水調整。ザラっと骨材でカギ掛かりUP。

  • 中塗り:厚みと平滑づくり。ここで面の骨格を決める️

  • 上塗り:意匠と肌理の決定。骨材の粒度&顔料でキャラ付けを。

ポップTip:厚塗りはヒビのもと!各層必要十分の厚みを守れば、乾燥もムラなくキレイに。


4️⃣ 鏝(こて)さばき=圧×角度×速度 ️

  • 早押さえ:ノロ(微粉)が上がり平滑に。ただし焼けムラに注意。

  • 遅押さえ:艶が乗る大人の仕上げに。水引き(乾き加減)を読む

  • 道具の使い分け:金鏝=締め、木鏝=粗ならし、ステン鏝=サビにくい、樹脂鏝=“当たり”がやさしい。

表情コントロール

  • つるんと鏡面→漆喰磨きで上品に✨

  • 砂肌でマット→土×骨材で温かみ

  • ランダム感→鏝ムラを“残す”勇気でアートに


5️⃣ 養生は“仕上げの一部”️⛱️

  • 直射・強風は敵!遮光&通風でゆっくり乾かす。

  • 冬の冷え込み→結露→白華(白い跡)に注意。夜間シート&緩やか加温

  • 空調の強風は色ムラの原因。風よけ+加湿でバランスを整える。

ポップTip:仕上がり不良の8割は“乾燥の速すぎ”が原因。**乾燥は“急”より“均”**が正解!


6️⃣ 色・艶・肌理(きめ)をデザインする

  • :顔料は1%刻みで“理想のニュアンス”に近づける。

  • :鏝圧でマット⇄グロスをコントロール。

  • 肌理:骨材粒度で陰影が変わる。ライトの角度を当てて影をプレビュー

モックアップ:仕上がりの“誤解ゼロ”に効く。**照明条件(昼/夜・色温度)**を現場に合わせて確認しよう!


7️⃣ よくあるトラブルと“神リカバリー”

  • ピンホール:下地の微細空気。再圧着+薄押さえで埋める。

  • 色ムラ:乾燥ムラ or 練りムラ。霧吹き→同条件で再押さえが効く。

  • ヘアクラック:厚塗り・急乾燥。スサ増量/薄層化/湿潤養生で予防。

記録が最強温湿度・配合・押さえ時刻をメモ。次現場で再現できる=プロの仕事


8️⃣ メンテの基本

  • 室内:乾拭き→薄めた中性で優しく。研磨NG。

  • 外部:雨筋は水線の逃げを見直し。撥水材は素材の呼吸を邪魔しない範囲で。

サステナTip:残材は再練りで試験片に。洗い水のpH中和も忘れずエコ対応。


9️⃣ まとめ✨

左官は素材×水×時間のアート&サイエンス。
下地診断→配合微調整→層構成→鏝圧→養生→検査の**“見えない工程”を整えれば、仕上げは自然と美しく長持ちします。次回は改修と高難度意匠**をさらに深掘り!

 

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第13回左官工事雑学講座

皆さんこんにちは!

有限会社藤田左官、更新担当の中西です。

 

~“映える左官・長持ちする左官”~

 

美しく映えて、施工も安定、手直しも少ない——そんな“ご機嫌な左官”をつくりましょう!


1️⃣ 改修の“三択”——撤去?重ね?部分補修?

  • 撤去(はつり):根治。ただし粉塵・騒音・コスト↑。大面積の脆弱層には有効。

  • 重ね塗り:短工期。ただし付着&吸水調整が命。シーラー→フィラー→上塗りで層の“橋渡し”。

  • 部分補修色・艶・肌理合わせが難題。同日・同湿度で小面積モックアップ→OKなら本番。

ミニ試験:A4サイズで付着・色・艶を確認→施主とOKサイン✍️


2️⃣ 高意匠のレシピ集

① 漆喰“磨き”ラグジュアリー ✨

  • 手順:下地平滑→上塗り→半乾きで鏝押さえ石鏝orプラスチック鏝で磨き

  • ポイント:水引きを逃さない。遅すぎると焼け跡、早すぎるとノロが泳ぐ。

② 土の“砂肌マット” ️

  • 手順:骨材1.0〜1.5mm/スサ少量→木鏝仕上げで粒子感を残す。

  • ポイント:照明が“斜め”に当たる面は影が美味しい

③ セメントの“研ぎ出し”

  • 手順:骨材入りで打設→硬化後にダイヤ研磨浸透保護で汚れガード。

  • ポイント目地計画割付で“揺るぎない幾何学”に。

ポップTipライト当てテストで“映える角度”を決めてからレシピ確定!


3️⃣ 雨仕舞い×左官=チーム戦️

左官だけじゃ解決しない雨筋・白華・滞水は、

  • 板金:笠木の水返し5〜10mm、端部毛細切り

  • シール二面接着(バックアップ材)で目地底割れ回避。

  • 見切り:異素材の可動ジョイントで“動きを受ける”。

教訓:**仕上げの不具合の半分は“取り合い”にある。設計・現場で“水の旅路”**を一枚図に!


4️⃣ クラックと仲良くする(or させない)

  • 構造クラック:躯体原因。目地・Uカット&樹脂充填・可動部で“逃がす”。

  • 収縮クラック:厚塗り・急乾燥由来。スサ増量/薄層化/湿潤養生

  • 土・漆喰の“味”:微細なひびを表情と捉える文化も。事前に説明&合意が平和の特効薬️


5️⃣ 品質は“写真と数値”で守る

  • 計測:温湿度、含水率、押さえ時刻、照度。

  • 定点写真:下地→中塗り→上塗り→押さえ→養生明け。

  • 合否の言語化許容ムラの範囲を写真サンプルで共有。

KPIミニ例

  • 手直し率:2%以下

  • 乾燥ムラ起因の色ムラ:ゼロ

  • 引き渡し後クレーム:月0件を目標に!


6️⃣ DXで“うまさの再現性”を上げる

  • クラウド図面&仕様:最新版一元管理で**“古図施工”撲滅**。

  • 材料QR:ロット→配合→面の履歴をピッで紐づけ。

  • 日報テンプレ配合・押さえタイム・温湿度を自動記録。

  • 簡易BIM/AR:役物・見切り・照明角度を現場で重ね見→“影の勝ち筋”が一目瞭然


7️⃣ 左官×サステナブル

  • 土・石灰の地産地消→輸送CO₂↓&地域の色を活かす。

  • 外装通気&断熱と合わせて冷暖房負荷↓

  • 長寿命設計(直せる納まり・部分補修前提)で廃材↓

メッセージ:左官は“建てた後の環境性能”にも効く。美しさ×省エネの二刀流でいこう!


8️⃣ ケーススタディ:カフェ改装で“映える&早い”を両立☕✨

  • 課題:短工期/既存塗膜ムラ/照明演出重視。

  • 打ち手:付着試験→重ね塗り採用。下地フィラーで吸水均一→漆喰半艶磨き

  • 演出:ライトを斜め45°に配置して鏝の陰影を活かす。

  • 結果:SNSで「壁が主役!」と話題に。手直しゼロで引渡し


9️⃣ 明日から使える“左官ルーティン”

  1. 下地吸水テスト→秒数メモ

  2. 当日サンプル塗り→水量微調整

  3. 層ごとの必要厚→言語化

  4. 押さえ時刻→写真+時刻スタンプ

  5. 養生条件→温湿度メモ&風遮断

  6. 合否写真→照明条件そろえて保存

この6つだけでも、仕上がりの安定感が段違いに!


まとめ:左官は“時間を味方にする工芸”⌛✨

見えない工程の設計が、見える美しさ長持ちを生む。
改修でも新築でも、下地→配合→層→鏝→養生→検査の“型”を守りつつ、意匠とDXでワンランク上の仕上がりへ。
さあ、次の現場でひと手入れてみませんか?すべすべ、しっとり、つやつや——あなたの鏝が“空気まで心地よく”してくれるはず。

 

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