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日別アーカイブ: 2025年10月20日

第14回左官工事雑学講座

皆さんこんにちは!

有限会社藤田左官、更新担当の中西です。

 

~“塗るだけ”じゃない!~

 

「左官=壁に塗る人」だけじゃもったいない!実は、下地の診断・材料の配合・含水率のコントロール・鏝(こて)さばき・養生・検査まで、完成度の8割は見えない工程で決まるんです。この記事では、下地→配合→塗り→仕上げ→養生→検査の流れを、今日から役立つコツと一緒に解説します。


1️⃣ 下地判定が“すべてのスタート”

同じ壁でも中身が違う!

  • コンクリート:吸水ムラあり。レイタンス除去→シーラーで足場づくり。

  • ALC:多孔質で水をよく吸う。フィラーで吸い込み均一化がカギ。

  • 石膏ボード:ジョイント処理が命。段差ゼロ&クラック予防にメッシュ+パテを丁寧に。

  • 既存塗膜の上:付着試験(テープ・打診)で弱層の見極め→必要なら撤去。

ポップTip:下地の吸水を“見える化”。霧吹きの水が何秒で消えるか吸水強度の目安がわかるよ!⌛


2️⃣ 材料の“黄金トリオ”——水・粉・骨材を仲良くする⚖️

  • 漆喰(消石灰):上品な白と抗菌・防カビ性。磨きでツヤ変化が楽しめる✨

  • :しっとり調湿&やさしいマット感。藁スサでひび抑制&腰が出る

  • セメント・ポリマー系強度・耐久に優れ外部や床に◎。色ムラは養生と水分管理で対策。

配合のコツ:同じレシピでもロット差・気温・湿度で“表情”が変わる。当日サンプル塗り水量1〜2%の微調整がプロっぽい!


3️⃣ “一発勝負”はしない!層構成で仕上がりを安定化

  • 下塗り:付着・吸水調整。ザラっと骨材でカギ掛かりUP。

  • 中塗り:厚みと平滑づくり。ここで面の骨格を決める️

  • 上塗り:意匠と肌理の決定。骨材の粒度&顔料でキャラ付けを。

ポップTip:厚塗りはヒビのもと!各層必要十分の厚みを守れば、乾燥もムラなくキレイに。


4️⃣ 鏝(こて)さばき=圧×角度×速度 ️

  • 早押さえ:ノロ(微粉)が上がり平滑に。ただし焼けムラに注意。

  • 遅押さえ:艶が乗る大人の仕上げに。水引き(乾き加減)を読む

  • 道具の使い分け:金鏝=締め、木鏝=粗ならし、ステン鏝=サビにくい、樹脂鏝=“当たり”がやさしい。

表情コントロール

  • つるんと鏡面→漆喰磨きで上品に✨

  • 砂肌でマット→土×骨材で温かみ

  • ランダム感→鏝ムラを“残す”勇気でアートに


5️⃣ 養生は“仕上げの一部”️⛱️

  • 直射・強風は敵!遮光&通風でゆっくり乾かす。

  • 冬の冷え込み→結露→白華(白い跡)に注意。夜間シート&緩やか加温

  • 空調の強風は色ムラの原因。風よけ+加湿でバランスを整える。

ポップTip:仕上がり不良の8割は“乾燥の速すぎ”が原因。**乾燥は“急”より“均”**が正解!


6️⃣ 色・艶・肌理(きめ)をデザインする

  • :顔料は1%刻みで“理想のニュアンス”に近づける。

  • :鏝圧でマット⇄グロスをコントロール。

  • 肌理:骨材粒度で陰影が変わる。ライトの角度を当てて影をプレビュー

モックアップ:仕上がりの“誤解ゼロ”に効く。**照明条件(昼/夜・色温度)**を現場に合わせて確認しよう!


7️⃣ よくあるトラブルと“神リカバリー”

  • ピンホール:下地の微細空気。再圧着+薄押さえで埋める。

  • 色ムラ:乾燥ムラ or 練りムラ。霧吹き→同条件で再押さえが効く。

  • ヘアクラック:厚塗り・急乾燥。スサ増量/薄層化/湿潤養生で予防。

記録が最強温湿度・配合・押さえ時刻をメモ。次現場で再現できる=プロの仕事


8️⃣ メンテの基本

  • 室内:乾拭き→薄めた中性で優しく。研磨NG。

  • 外部:雨筋は水線の逃げを見直し。撥水材は素材の呼吸を邪魔しない範囲で。

サステナTip:残材は再練りで試験片に。洗い水のpH中和も忘れずエコ対応。


9️⃣ まとめ✨

左官は素材×水×時間のアート&サイエンス。
下地診断→配合微調整→層構成→鏝圧→養生→検査の**“見えない工程”を整えれば、仕上げは自然と美しく長持ちします。次回は改修と高難度意匠**をさらに深掘り!

 

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